高齢者や認知症のストーマ患者の介護の際によく起こるトラブルは、ストーマが剥がれることでおこる寝具・衣類などの排泄物による汚染、シール部分を掻きむしることで起こるストーマの出血・びらんなどがあります。ストーマが剥がれる原因として患者本人が引き剥がしていることがありますが、皮膚にシワが多かったりストーマが陥没していたりするとしっかりと貼れず、シール部分の粘着を保つことがでないため自然に剥がれていることがあります。介護を行う人間が皮膚の状態に合わせた装着スキルを向上させることで改善する場合もありますが、体形の変化などによってこれまで使用した装具が合わなくなるなどストーマ介護はケースバイケースの対応が必要です。
皮膚状態を清潔に保つためには汚物や粘着剤を交換の度に洗浄する必要がありますが、洗浄剤自体が肌に残ってしまうとさらにトラブルの原因になるため皮膚の洗浄は丁寧に行わなくてはなりません。場合によっては洗浄剤や装備・剥離剤自体の見直しを行いその時の患者の肌に合った物を選択することも大切です。また、ストーマの近接部・皮膚保護剤部・皮膚保護剤外部それぞれで生じた原因によって対処も異なるため、皮膚トラブルの原因を特定する知識と対応スキルを身につける必要があります。また、無意識や意図的にストーマを剥がしてしまう時に便利な腹帯も、細身で目立たないものから消臭効果が高い・伸縮性がある・へルニア補正効果があるものなどさまざまなタイプが販売されています。